訪問リハで働くメリット・デメリットが知りたい
この記事ではそのような方に向けて、作業療法士歴11年、訪問歴6年の僕が訪問リハで働いて感じたメリット・デメリットをお伝えしていきます。
この記事を読むと、訪問リハで働く上でのメリットやデメリットがわかるだけでなく、訪問に転職する際に感じる不安も解消できるように書いていますので、ぜひ最後までお読みください!
【実体験】僕が訪問リハに転職しようと思ったわけ
僕が訪問リハに転職しようと思ったのは、患者・利用者様の在宅生活に興味があったからです。
病院だと患者さんのリアルな生活はわかりませんよね?
病院や施設という特殊な環境の中で、自分がしてきたリハビリが本当に患者さんのためになっているか疑問に思っていました。
僕が勤めていた病院は療養型だったので、退院する方はごくごくわずかです。
退院する方よりも病院で亡くなる方が多かったですね。
せっかく退院したのに、怪我して再入院になってそのまま亡くなる、といった経験をした時は、
自分がもっと生活を考えて介入していればまた入院しなくてよかったんじゃないか・・・。
と後悔の日々。
そのことがきっかけで、在宅での生活に興味を持つようになり、訪問リハで働いてみようと思うになりましたね。
訪問リハなら利用者さんの実際の生活場面で介入できるので、自分が学んできた作業療法が活かせると思って訪問に転職を決めました。
次に実際に僕が訪問リハで働いて感じたメリット・デメリットを解説していきますね。
訪問リハのメリット・デメリット
僕が実際に訪問リハで働いて感じたメリットとデメリットを簡単にまとめました。
一つ一つ解説していきますね。
メリット
介入後の変化を評価しやすい
訪問のメリット一つ目は変化を評価しやすいことです。
なぜなら利用者様のリアルな生活環境に介入するから。
実際に介入した例だと、ベッドの高さを立ちやすい高さに変えたり、立ちやすい位置に手すりを設置しました。
その結果、自分の力で立てるようになり、家族の介助量が減りました。
たったこれだけでもその日から利用者様の生活が変わるんですよね。
なので、訪問リハは、生活環境に直に関われるため利用者様の変化を評価しやすく、生活を支えることに直結することがメリットと言えます。
利用者様やご家族様に直接ありがとうと言ってもらえる
訪問のメリット2つめは直接ありがとうを言ってもらえることです。
病院でも施設でも言われることはあるが、利用者様からだけでなく家族からも言ってもらえるのはとても嬉しいもの。
先ほどの例でいうと、家族の介護量が減ったことで家族が楽になり、
立ち上がらせるのが大変で腰が痛くて仕方なかった。
でも1人でできるようになったから本当に楽です。
ありがとうございます!
と言ってもらえた時はやってよかったと心から思いました。
また、訪問時に熱中症を起こした利用者様の対応をした際、家族とケアマネからもお礼を言われて嬉しかったですね。
なので、利用者様以外の家族やケアマネなどからありがとうを言われることは、やりがいを感じられることも訪問リハのメリットですね。
1人の時間を持ちやすい
訪問のメリット3つ目は1人の時間が持ちやすいことです。
病院や施設と違い、1人の時間が多く、良い意味で気が楽なんですよね。
病院や施設は常に他職員や患者様など誰かしらいるので、1人になる時間はとても少なくなります。
協力しやすいが、人間関係のトラブルが起きた時はとても面倒。
訪問は1人になる時間が必然的に多くなるので、万が一上司に怒られたりしても1人になれるのはメリットですね(笑)。
次の訪問までの空いた時間などちょっと休憩できるの良いです。
1人の時間を必然的に持てるのは訪問だけのメリットですよ!
デメリット
リスク管理などある程度自分1人で対応できないとしんどい
デメリット1つ目は1人で対応しなければならないことが多いことです。
その理由はフィジカルアセスメント、服薬状況、環境設定、先週と表情、言動など変化がないかを1人でチェックする必要があるから。
訪問は作業療法の評価以外にもやることがたくさんあります。
覚えなくてはいけないことも多いので、とてもしんどいと思いますね。
急変や転倒など様々な事情に対して対応する必要がある
デメリット2つ目はさまざまな事情に対して対応する必要があることです。
その理由は基本的に1人なので、駆けつけてくれる人がいないから。
病院や施設なら何かあった時に助けを呼べる医師や看護師、先輩がいますよね。
訪問では誰かがすぐに駆けつけられる環境ではないので、緊急時の対応はすべて自分で行う必要があります。
僕は訪問時、利用者さんが玄関先で倒れて血を流していた時があり、必死で対応した経験をしました。
バイタル・意識レベル・損傷部位・損傷の程度などをチェックし、安静を保てる姿勢にして、救急車を呼んで・・・
と、めちゃくちゃ大変でしたね。
え?!そんなことがあったの?!
救急車を呼ぶことはそこまで多くはないですが、訪問したら転倒していた、なんてことは多いです。
イレギュラーなことは訪問に慣れていてもとても大変。
こうしたことに1人でも対応しなくてはいけないのは訪問のデメリットですね。
本当にこの時は大変でした。。。
生きた心地がしなかった。。。
他職種・他事務所、家族との連携が難しい
デメリット3つ目は他職種・他事務所、家族との連携が難しいことです。
その理由は、それぞれで価値観が違うから。
訪問は基本的に電話や書類でのやり取りが多いです。
また、利用者様やご家族様は接する人によって言うことが違う場合があったり、テレビや他人の意見に影響されやすいんですよね。
自分に訴えてきたことと、医者やケアマネに訴えていることが全然違うことはしょっちゅうあります。
僕が経験した中でびっくりしたことを一つご紹介します。
僕が介入した時に利用者さんから
外出したいからこういうサービスを使いたい。ケアマネにあなたから話してほしい
と言われたので、その通りにケアマネに連絡しました。
しかし、僕が介入した2時間後にケアマネが訪問した時は
そんなこと言ってない。あいつが強引に進めてきた!
とクレームを言っていたとケアマネから連絡が入ったんですね。
一瞬、自分の記憶が飛んだんかと思いました。
利用者様の訴えを否定するわけにはいかないので、ケアマネには事情を説明しつつ謝罪し、利用者様にも何度も謝罪をした苦い経験があります。
事務所に戻ってからも、上司に事情説明と謝罪、アクシデントレポート作成・・・
この時は本当にしんどいなと思いましたね。
ここまでメリットとデメリットについて解説しました。
ここからは訪問で働く上で一番不安に思うことについて解説していきます。
1人で対応できるか不安な方へ
メリット・デメリットを聞けたけど、やっぱり1人で訪問するのは不安だなぁ」
そう思う方も多いですよね。
僕も訪問で働く前はとても不安でした。
でも、結論からいうと早い段階で1人でも訪問できるようになります。
その理由は以下の3つです。
一つ一つ説明していきますね。
同行訪問がある
訪問の事業所は新規オープンを除いて大体先輩の作業療法士や理学療法士がいるので、ほぼほぼ同行訪問をさせてもらえます。
同行訪問とは、先輩が介入している利用者様宅に一緒に訪問して、実際の訪問リハの現場を見学することです。
同行する先輩にもよりますが、訪問ではどういうところに注意すればいいかなどアドバイスをもらえるはず。
また、先輩が訪問している時の仕草や態度、言葉遣いなどを見られるので、自分が訪問する際にマネしましょう。
同行を何週間か行って慣れてきたら、少人数ずつ担当を任されます。
だいたい同行で訪問した利用者さんを引き継ぐことが多いです。
1度訪問したことがある利用者様なら全く初めてより不安も少ないですよね。
1人での訪問が不安なら、積極的に同行についていって慣れましょう。
社内研修があるから
事業所よっては社内研修が整備されています。
訪問前に、訪問の心得や予定の組み方、礼儀作法、交通について、リスク管理などさまざまことをオリエンテーションを含めて行われます。
僕が働いていた事業所でも新入植者には上司が時間をかけてオリエンテーションを行っていましたね。
同行訪問の前に社内研修を行うことになるので、しっかりと知識や注意点を頭に入れましょう。
おすすめは注意する点などをメモしておいて、訪問前にメモを見て内容を確認することです。
初めは緊張でガチガチになりますが、慣れてくれば自然と訪問の作法なども行えるようになりますよ。
先輩に相談できるから
先に述べた2つにやや被りますが、訪問未経験者の募集をしている事業所は職員を育てようと思っているところが多いです。
1日に何件も訪問している先輩も初めからうまく訪問できていたわけではありません。
なので、「自分はうまくできない・・・。」と悩まずに、わからないことや不安があったら先輩に相談しましょう。
みんな初めは未経験。
あなたと同じように不安に思ったり、失敗をしてきたはずです。
あなたの訪問を待っている利用者様のためにも、先輩に頼りまくってください。
ここまでは訪問リハ未経験でも1人で対応できるようになる理由をお伝えしてきました。
ポイントは先輩や上司にわからないところを聞きまくることです。
ここからは僕が訪問リハに転職する際に行ったことを解説していきます。
転職前に実際に僕が行ったこと
転職前に僕が行ったことは以下の3つです。
一つずつ説明していきますね。
訪問経験者に聞く
1つ目に行ったのは訪問経験者に聞くことです。
僕の場合、参加した外部研修会や勉強会に訪問経験者がいたので、その方に実際の働き方などを聞きました。
経験者の話や疑問に思ったことを聞いたりできたので、訪問で働く自分をイメージできましたね。
1人だけでなく、複数人に聞けたのも訪問の事業所によって働き方に違いがあるとわかって良かったです。
もしあなたの友人や研修会などで訪問経験者がいたら、いろいろと聞いてみるといいですよ。
ネットで情報収集をする
2つ目に行ったのはネットで情報収集をすることです。
調べれば訪問についての情報はいくらでも出てきます。
訪問経験者から聞いた情報をもとに、いろいろな訪問事業所のホームページを見て、どういう理念をしているか、働き方はどうなのかを調べました。
ネットで調べる際におすすめなのは求人情報を見ることです。
なぜなら、求人情報にはその事業所が求めている求人像や理念などが記載されているから。
実際の働き方や給料も見れるので、訪問で働くイメージがより強く持てました。
転職エージェントに相談をする
3つ目に行ったことは転職エージェントに相談することです。
ネットで調べていると気になる求人が出てくるんですよね。
だけど、書いてある求人情報だけではよりリアルな情報はわかりません。
なので転職エージェントを利用して、訪問の実際の働き方や気になる事業所の内情などを聞きまくりました。
転職エージェントは事業所の裏表などの情報を持っていますし、僕のように訪問未経験の転職者もたくさんサポートしてきているので、本当にいろんな相談に乗ってもらえて嬉しかったですね。
おかげで、安心して転職することができました。
手厚くサポートしてもらえて、全て無料で利用できるので、訪問に転職したい方は是非利用することをおすすめします。
ここまで訪問未経験者の僕が訪問リハに転職するまでに行ってきたことをお伝えしてきました。
ここからは僕が実際に利用して良かったと感じた転職エージェントをお伝えしますね。
おすすめ転職エージェント3選
僕が実際に利用して良かったと思う転職エージェントは以下の3つです。
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・同じ求人でも違った視点からの情報を聞ける
から。
1つだけでも良いのですが、たまに強引に求人を勧められることがあるんですよね。
そういう時に、他の転職エージェントからも情報を聞けるとより安心できます。
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まとめ
この記事では訪問リハで実際に働いてきて感じた訪問リハのメリットとデメリットを解説してきました。
メリットとデメリットをもう一度まとめておきますね。
訪問未経験だけど1人で対応できるか不安だと思いますが、全然大丈夫です!
その理由は以下の3つ。
実際に訪問リハで働きたいと思った方は以下の3つを実践されると良いです。
訪問リハの詳しい働き方などを知りたい方はこちらの記事をぜひ参考にしてください!